今日は悩みについて考えたいと思います。
もちろん、悩みはなければないでそれでよいのですが、中高生ともなれば、そうそう悩みを避けては生きられなくなってきていることでしょう。老人であるわたしにも、悩みはあります。悩みは生きていくうえでつきまといます。それは私たちが生きる影のようなものであり、闇でもあります。人には隠せても自分には隠せない心の闇、あるいは、生活してゆくために避けがたい人生の闇は、しばしば私たちを不安や恐れで包み込んでしまいます。
しかし、そんな闇の中だからこそ、できることがあります。皆さん、それは何だと思われますか。それはわずかな光をも見逃さずにいられるということです。そして、あなたの心の闇はわずかな光をも見逃さない、そう、小さな存在を見逃さない、やさしく、濃(こま)やかな心の目をあなたの中に育てます。
校長 大矢正則