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放送聖書朝礼『三位一体』

投稿日2020/6/20

6月7日は教会の典礼では、『三位一体』の主日でした。カトリック教会は、新型コロナ対策のため、ミサは行われているのですが、一般の信徒はお御堂に入れない、非公開で行われています。そういった意味では、学校よりも長い期間にわたって、教会はお休みといった感じです。

しかし、バチカンや東京カテドラルを始めとして、多くの教会では、その非公開のミサをインターネットで配信しており、世界中の多くのカトリック者が、ネットで繋がりながらミサを捧げています。

さて、『三位一体』の主日ですが、この主日は、『聖霊降臨』—プロテスタントの教会では、『ペンテコステ祭』と呼ばれることが多いこのお祭りの日の翌週に行われるようになりました。それは、14世紀のことです。

『ペンテコステ』、すなわち『聖霊降臨』が、ご復活祭から50日後に祝われ、ご復活祭の日は毎年変わりますので、『聖霊降臨』もその翌週の『三位一体』の主日も、移動する祭日であります。毎年、5月17日から6月20日の間に祝われることになります。

今日の朗読箇所の最初は、「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。」という有名な箇所があります。私事になりますが、私が洗礼を授かったとき、お世話になっていたシスターが下さったカードに、ちょうど、この箇所、「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。」と手書きで書かれており、とても感動したことを思い出します。この後には、「独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠に命を得るためである。」と続きます。

三位一体とは何でしょうか。この言葉は元々キリスト教用語ですが、いまでは、よく政治経済の世界で使われる用語となりました。たとえば、10年以上前になると思いますが、「国から地方への財源移譲の三位一体の改革」というのがありました。この場合の三位とは、国と地方と財源なのでしょう。

さて、本家本元のキリスト教の三位一体とは、わたしたちの神が「父と子と聖霊」でいらっしゃる唯一のお方であるという神秘です。このことは「神は父と子と聖霊の3つのペルソナ(ペルソナとはパーソナリティの元となった言葉ですが、元々は仮面という意味なので、3つのペルソナとは3つの側面という意味に近いかもしれません)。この3つ、父と子と聖霊のペルソナがあるが、本性は一つである」といいかえることもできます。

ところで、この説明は間違いとは言い切れない。それどころか理論としては正しいのですが、神はこれを理論として私たちにこのことを知らせたのではないということが本質です。神は御自身が三位一体の方であられることを、理論ではなく、事実として私たちに示してくださいました。その事実とは以下のような事実です。

神の子イエスはマリアから生まれて人となられ、十字架の死と復活によって私たちを神と一致させ、そして、イエスは、彼が「アッバ」と呼んでいた父のもとに戻った後、私たちに聖霊を遣わしてくださった。

こういう事実なのであります。これこそが三位一体の事実であり、神秘でもあるのであります。

(参考:稲川圭三著『365日全部が神さまの日』サンパウロ)

校長 大矢正則

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