「せんせい、ここいたいの、〇〇ちゃんとぶちゅかったの。」
職員室にSちゃんが、おでこをさすりながらやってきました。
いつも優しくしてくださる先生が丁度いません。私だけでした。
「どれどれ、先生に診せてごらん。」
Sちゃんは痛そうな顔をして近づいてきました。
「どこが痛いの?」
「ここ。」おでこを指さしました。傷も無く、赤くもなっていません。
「よーし、先生が治るおまじないを唱えてあげる。絶対に治るぞ!!」
「うん。」
じっと手を合わせて、
「ウーン、ジュゲジュゲポン!!いたいのとんでいってしまえー!!」
「どうだい、治ったかい?」
「ウン、なおった!!」
痛そうだった顔がニコニコ笑顔に変身しました。
「先生のおまじない、凄いだろ。」
「うん!ありがと!!」
職員室を元気に飛び出し、近くにいた先生が
「もう治ったの。大丈夫?」
と、聞いてくれました。
「せんせいのジュゲポンでなおったの!!いたいのが外にとんでっちゃった。」
何の事やら?先生もわからなかったでしょう。でも良い顔になったので、
「よかったねぇ。」
「うん!!」
と、言いながらお部屋に走って行きました。 ホッと笑顔が零れます。
(清瀬市 東星学園幼稚園)