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第51回 東星学園中学校・高等学校入学式 式辞(全文)

2015/04/09(木) 13:21

 真冬のような一日だった昨日とは打って変わって春らしい陽気が戻ってまいりました。天候も皆さんの中学校、あるいは高等学校への入学や進級をお祝いしているかのようです。皆さん、ご入学おめでとうございます。ただいまの新入生紹介で、中学一年生33名、高校一年生41名の皆さんが、東星学園中学校・高等学校へ入学したことを確認しました。ようこそ東星学園中高部へ来てくださいました。

 新入生の保護者の皆様、お子さまの中学生、高校生としての出発を心からお喜び申し上げます。東星学園中高部教職員一同、大切なお子さまをお預かりするという重大な責任を果たすために、全力をあげて努力する決意でおります。お子様のこれからの3年、6年の間には、嬉しいこともあるでしょう。しかし一方で乗り越えなくてはならない課題に直面することもあると思います。お子さまがそれらの体験を通して、成長し自立してゆくためには、皆様と学校との協力関係がどうしても必要となります。あるドイツ人の教育者は「ご家庭からの協力が得られない学校は無力である」と言っています。現場に立つ私もこの言葉の重みは日々感じております。私どもは皆様方のご協力を賜りたいと衷心から願っております。どうかよろしくお願い申し上げます。

 また、ベタニア修道女会総長・シスター原田ケイ子様はじめご来賓の皆様には、本日はお忙しい中をご臨席いただき、誠にありがとうございます。引き続き東星学園の生徒のためにお力添えをお願いいたします。

 さて、東星学園とはどんな学校なのか。入学式のこの機会に改めて確認しておきたいと思います。
 東星学園が一番大事にしていることは、この学園がヨゼフ・フロジャク神父様によって創られたということです。フロジャク神父様は1886年にフランスで生まれ、司祭となってすぐ、1909年、23歳の時に来日されました。それから一生涯を日本の福祉、医療、教育にささげ、1959年に日本でお亡くなりになりました。フロジャク神父様の日本での働きは、最初から最後まで貧しい人、苦しんでいる人、虐げられている人に居場所を提供することでした。最初は結核患者さんのための家をつくることから始めました。療養所を出されても帰る場所のない人たちのための家を作ったのです。それが「ベタニアの家」という名前の家です。1930年のことでした。

 その後、次々と、社会福祉事業を展開してゆきます。病院、乳児院、児童養護施設、老人ホーム、障害者のための施設などです。実は、この東星学園もそうした事業の中に位置づけられています。元々は結核患者さんのお子さんたちを預かっていた児童養護施設が「東星学園」という名前でした。1934年に創立されています。ちょうど今年の中学校一年生の人数と同じ33人の子どもたちが暮らしていました。現在のベトレヘム学園のことです。東星学園はその2年後、東星尋常小学校という学校を開設します。そこに在学した児童は、もともとの東星学園に住んでいた33人の子どもたちが中心で、他に地域から19人の通学生を加えて合計52人でスタートしたのです。

 いまでは、結核という病気は治る病気になりましたし、患者さんも差別されるようなことは少なくなりました。東星学園も結核患者さんのお子さんが通うという学校ではなくなりました。しかし、東星学園はこの創立の精神を忘れてはいけません。それは、弱い立場にある人と共に歩み、居場所つくる学校でなくてはならないということです。

 では、弱い立場にある人とは誰でしょうか。それは決まっているものではありません。人は誰でも弱い面を持っているものですし、また、実際に、ある日突然、弱い立場に置かれることも珍しいことではありません。そういった意味で、人は誰でも支援や助けを必要としているのです。誰もがお互いをかけがえのない存在として支えあい助け合う学校。東星学園はそういう学校であり続けるのです。

 さて、私は常々、いろいろな場所でいろいろな方々に、あなたが4月の入学式で座っている学校、そこがあなたにとって一番の学校ですと伝えています。いま、皆さんは東星学園中学校の、東星学園高等学校の入学式に出席しています。したがって、皆さんお一人お一人にとって東星学園が一番の学校です。このことを深く理解し忘れないでください。このことは同時に私たち東星学園の教職員にとっても皆さんお一人お一人が一番の生徒だということです。これを私たち教職員一同もこの機会に肝に銘じようと思います。

 私は東星学園が一番誇れるものは、生徒と教職員の関わりそのものだと考えています。ですから、皆さんにもこの東星学園の生徒であることに誇りを持ってほしい。誇りを持って学んでほしい。中高の学びの中心は教科の学習です。きちんと授業に取り組み、毎日欠かさず家庭学習をしていただきたい。その上で、部活動、委員会活動、いろいろな行事を通して、この東星学園で出会った仲間と共に歩んで下さい。

 出会いは大切です。出会いが人を成長させます。出会いこそ人生です。そもそもこの世に生まれてきたこと自体が奇跡であり、神様が必要とお考えになってなさったことですが、この広い世界の中で、この東星学園で出会えたこともまた奇跡であり、大きな恵みです。私もあなた方に出会えたことに感謝しています。どうかいつまでも成長しあえる仲間でいましょう。

 本当にようこそ東星学園に来てくださいました。

2015年4月9日 東星学園中学校・高等学校 校長 大矢正則

※ 元原稿のため、実際の式辞とは一部異なる点があります。

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