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第52回 東星学園中学校・高等学校入学式 式辞(全文)

2016/04/09(土) 15:35

入学式に当たり、多数の来賓の方々をはじめ保護者のみなさまのご列席をいただき、このように盛大に行われますこと、厚くお礼申し上げます。ありがとうございます。新入生・進級生の皆さん、入学おめでとう。

保護者の皆様、お子さまのご入学を心からお喜び申し上げます。また、東星にお子さんを送り出してくださったことに心から感謝を申し上げます。

さて、私は常々、いろいろな場所でいろいろな方々に、「あなたが4月の入学式で座っている学校、そこがあなたにとって一番の学校です」と伝えています。いま、皆さんは東星学園中学校・高等学校の入学式に出席しています。したがって、皆さんお一人おひとりにとって東星学園が一番の学校です。このことを深く理解し忘れないでください。また、このことは同時に私たち東星学園の教職員にとっても皆さんお一人おひとりが一番の生徒だということです。これを私たち教職員一同もこの機会に肝に銘じようと思います。

ところで、学校というところは、社会で生きてゆくために必要な基礎学力を習得することを目的として存在しています。この基礎学力というのは、教科に関する知識や思考力を身につけることと、社会に出てゆくために必要な人間関係力、たとえば、あることに関して自分なりの考えをまとめて人に伝えることとか、他人の意見に耳を傾け、自分の考えを修正し発展させることとか、人と折り合いをつけることとか、そういったことを、学校生活では獲得してゆくことになります。

教科の学習としては、小学校の頃から、国語、算数、体育、図工、音楽といった学芸科目から始まり、途中で、理科、社会、家庭科が加わりました。さらに英語、そして東星では宗教といった教科も小学校の頃から取り入れています。中学校では、英語の時間がぐっと増え、算数は数学という、算数と似てはいるけれども、実はかなり違う教科へと変更になります。体育も、保健体育という教科に変わり、心やからだの機能や公衆衛生や環境についても学ぶようになります。技術という、ものづくりに関する科目もあります。

そして高校生になると、情報という教科が出てきたり、理科が物理、化学、生物、地学という科目に細分化されたり、社会科が、地歴科と公民科という二つの教科になり、世界史、日本史、地理、現代社会などの科目を学習するようになります。それぞれの科目の教科書も、小学校の頃とは比べものにならないほど分厚くなり、覚えなければならない知識の量や、理解しなければならない考え方も、飛躍的に多くなり、また、難解なものへと変化してゆきます。

中学生・高校生の生活というのは、こうした学習を積み重ねてゆくということに他なりません。

ところで、そのような多くの知識や高度な考え方はいったい何のために身につけるのでしょうか。自分の知識量の多さを自慢したり、人と競争して打ち勝つったりするためでしょうか。

それは、違うはずです。少なくとも東星学園の教育目標は、それとは違います。もし、勉強が、知識の集積に終始するのであれば、一生かかってもその目的は達成できませんし、それだけでは無意味なものとなるでしょう。

では、なんのために中高生は学習することに力を入れるのか、それは、人格形成の基礎となる教養を身につけるためなのです。そしてその人格とは他者なしには概念として成立しません。人格を形成するとは、人のための人となることといっても過言ではないでしょう。社会の中で他者を大切にする存在となる。そのためにも、一生懸命勉強することが必要となります。

なぜならば、あることに関して自分なりの考えをまとめて人に伝えるとか、他人の意見に耳を傾け、自分の考えを修正し発展させるとか、人と折り合いをつけるとか、そういったことを適切に、つまり、自分も主体的に考えつつ相手の見解も理解し尊重しながら実行していくためには、社会や人間関係を成り立たせている基礎的な知識や教養が必要だからです。

それだけでは、ありません。自分がこれから出会う人のことを知るためにも教養が必要です。実は教養というのは、体験と並んで、他人の人生や、相手の悲しみや辛さ、そういったものを知ったり、感じたりするためにも必要なものなのです。

今日は学習によって得られる教養の話を中心にし、体験の話はあまりしませんでしたが、少しだけ触れておきますと、あなた方はこれから、子どもの頃には考えらなかったような、いろいろな体験をすることになると思います。嬉しい体験もあるでしょう、悲しい体験もあるかもしれません。そして多くの場合、体験は環境によって左右され、自分では望まなかったものも甘んじて受け入れなければなりません。通りたくなくても通らなければならない道もあったりします。しかし、そこは歩かなければならない。生きてゆくとは、そういうことになります。他人の身の上を聞くとき、親身になれるのは、教養と体験の豊富な人です。教養と体験は、あなたをやさしい人へと変えてゆきます。

あなた方お一人おひとりにいろいろな体験が待ち構えていることでしょう。だけれども大丈夫です。どんな体験をするときも、あなたと一緒に神様もその体験をしてくださいますから。

東星学園の建学の精神の後半に、「人間の価値とその使命を尊ぶ」とありますが、他人に対しても自分に対しても、その価値と使命を喜び合えるのは、一生懸命勉強した人、そして、いろいろな体験を恵みとして受け容れた人だけなのです。

どうか、あなた方は、この東星学園で多くを学び、みんなと一緒に様々な体験をし、人の気持ちのわかるやさしい教養人となっていってください。

これをもって私の式辞といたします。

 2016年4月9日 東星学園中学校・高等学校 校長 大矢正則

※ 元原稿を掲載しています。実際の式辞とは一部異なる箇所があります。

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